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湯之元温泉(鹿児島県)

(ゆのもと おんせん)

湯之元温泉は、鹿児島県日置市東市来町湯田に位置する温泉地で、中薩地方有数の規模を誇ります。この地域は薩摩焼の産地としても有名であり、温泉街とともに伝統文化を感じられる場所です。

泉質と温泉街の特徴

泉質

湯之元温泉の泉質は単純温泉で、硫黄成分を含んでいますが、硫黄特有の刺激臭はそれほど強くありません。肌にやさしく、リラックスできる温泉として知られています。

温泉街の風景

温泉街は国道3号沿いに広がっており、市街地と一体化しているため、観光地としての温泉街というよりは、地元に溶け込んだ日常の風景が見られます。しかし、元湯「打込湯」周辺には、昔ながらの湯治場の雰囲気が色濃く残っており、歴史を感じさせる佇まいです。また、最近では温泉施設にコワーキングスペースが併設されるなど、新しい形の利用方法も広がっています。近隣には薩摩焼の窯元が点在し、薩摩焼の食器を使用した宿も存在しています。

泉源

湯之元温泉には4か所の泉源があり、それぞれが地域の温泉施設に供給されています。これにより、訪れる人々は多様な温泉体験を楽しむことができます。

歴史と伝承

湯之元温泉の歴史は古く、天正元年(1583年)に島津氏の家臣である上井覚兼の日記に湯治の記録が残されています。また、寛永17年(1640年)には黒川大煩兵衛により発見され、整備が進められたと伝えられています。江戸時代には薩摩藩の直轄で運営され、「御前湯」や「地頭湯」といった身分によって使用する湯が分けられていました。

湯之元温泉の名物:湯之元せんべい

湯之元温泉街の名物として知られるのが、1921年(大正10年)に創業した菓子店・梅月堂で販売されている「湯之元せんべい」です。この煎餅は1951年(昭和26年)に創業者が開発したもので、土産菓子として非常に人気があり、店の看板商品にもなっています。

湯之元せんべいの特徴

定番の湯之元せんべいは、小麦粉、砂糖、鶏卵を使用したクッキー生地の上に山椒の葉を少量乗せたシンプルな煎餅です。ほんのりとした甘さと、山椒の香りが特徴で、パリッとした食感が楽しめます。また、青のりや黒ごま、ピーナッツなどがトッピングされたバリエーションもあり、さらにフランスのチョコレートメーカーであるヴァローナのカカオパウダーを使用したチョコレート味の煎餅も販売されています。

この山椒の葉は、地元の住人から提供されており、地域の味わいを大切にしています。元々は何も乗っていないシンプルな煎餅でしたが、山椒が加わることで、甘さと辛味のバランスが絶妙な一品となりました。

受賞歴

湯之元せんべいは、1973年(昭和48年)に鹿児島市で開催された第18回全国菓子大博覧会で受賞し、その後も2014年(平成26年)の「かごしまの新特産品コンクール」で鹿児島県特産品協会理事長賞、2023年(令和5年)には第1回「ひおき特産品コンクール」で金賞を受賞するなど、高い評価を受けています。

湯之元温泉のアクセス

湯之元温泉へのアクセスは非常に便利で、最寄りの鉄道駅は鹿児島本線の湯之元駅です。駅からは徒歩約10分で温泉街に到着できます。公共交通機関を利用する観光客にとっても、気軽に訪れることができる温泉地です。

湯之元温泉は、豊かな歴史と文化を持つ温泉地で、地元の人々に愛され続けています。また、新しい施設や取り組みも進行中で、現代のニーズにも対応した魅力ある観光地として進化を続けています。

Information

名称
湯之元温泉(鹿児島県)
(ゆのもと おんせん)

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