鹿児島県 » 鹿児島市・桜島・霧島

いおワールドかごしま水族館

(Io World Kagoshima Aquarium)

ジンベエザメを飼育して野生に返す世界最大級の黒潮大水槽

いおワールドかごしま水族館(正式名称:かごしま水族館)は、鹿児島県鹿児島市本港新町にある鹿児島市立の水族館です。水族館のコンセプトは「黒潮浪漫街道」であり、1997年5月30日に開館しました。「いおワールド」の名称は公募によって決定され、「いお」とは鹿児島弁で「魚」を意味します。

いおワールドかごしま水族館の概要

いおワールドかごしま水族館は、鹿児島県鹿児島市に位置する大規模な水族館で、正式名称は「かごしま水族館」です。1997年に開館し、以来、地元住民や観光客に愛されています。この水族館は、錦江湾や鹿児島の豊かな海洋生態系をテーマにしており、鹿児島沿岸や鹿児島湾の海生生物を中心に展示しています。

総事業費は約127億円で、外観はエイをイメージして設計されました。この水族館は日本で初めてカラチョウザメの餌付けやサツマハオリムシの展示に成功したことでも知られています。また、2011年10月には入館者数が1,000万人に達しました。

館内の施設と展示生物

館内は5階から地下2階まで広がり、様々な展示や生き物に触れることができます。

黒潮の海「黒潮大水槽」

館内の中心には、黒潮大水槽があります。水量1,500トンを誇る「黒潮大水槽」では、ジンベエザメやトラフザメ、モノノケトンガリサカタザメ、クロマグロ、カツオなど、さまざまな海の生物が展示されています。黒潮の流れを再現し、多様な海洋生物を観察できる人気のエリアです。

ジンベエザメをはじめとする多くの大型魚類が悠々と泳いでいます。ジンベエザメは、水族館のシンボルとして親しまれ、その迫力ある姿は訪れる人々を圧倒します。

南西諸島の海

鹿児島県本土の南に広がる南西諸島のサンゴ礁の海を再現したエリアです。タマカイやスズメダイ類、サンゴ類、ウミシダ類など、色鮮やかな魚やサンゴの生態が展示されています。

かごしまの海

鹿児島湾(錦江湾)周辺の海を再現したエリアでは、タカアシガニやイセエビ、ウツボなど、鹿児島県内に生息する多様な海洋生物を観察できます。この地域は亜熱帯と温帯が交差するため、独特の生態系が見られます。

展望ホール

錦江湾と桜島を一望できる展望ホールでは、飲み物やアイスクリームを楽しみながらリラックスできます。また、世界で唯一展示されている「タイヘイヨウアカボウモドキ」の全身骨格標本を見ることができます。このクジラは鹿児島県の海岸で打ち上げられたものを基に展示されています。

特別展示とイベント

いおワールドかごしま水族館では、季節ごとに特別展示やイベントを開催しています。例えば、クラゲやサメ、屋久島やトカラ列島の生態を特集した企画展があり、子どもから大人まで楽しめる内容となっています。

クラゲ回廊

鹿児島の近海に生息するさまざまなクラゲを展示したエリアです。幻想的な雰囲気の中、クラゲの生態や体の構造についても学ぶことができます。

わくわくはっけんひろば

子どもたちが楽しみながら学べる体験型のコーナーです。ジオラマを使った海や川の環境を再現し、生き物たちを探す体験を通じて、自然の不思議さに触れることができます。

デンキウナギ水槽

南米のアマゾン川やオリノコ川に生息するデンキウナギを展示しています。生きたドジョウをデンキウナギが放電して捕らえる様子を観察できる「デンキウナギの放電を見よう」というイベントも定期的に開催されています。

ピラルクー水槽

アマゾン川に生息する世界最大の淡水魚、ピラルクーが展示されており、その空気呼吸の様子を見ることができます。毎週土曜日にはピラルクーの食事の時間というイベントも開催されています。

沈黙の海

順路の最後には初代館長の吉田啓正が考案した「沈黙の海」が展示されています。この展示は生物がいない水槽が水だけで満たされており、海の環境について考えさせるメッセージが込められています。

その他の施設

ショップ・レストラン

1階のアミューズメントショップでは、オリジナルグッズやお土産を購入することができます。また、2階のレストラン「水族館の果実堂」では、ウォーターフロントを眺めながら食事を楽しめます。

イベントとショー

いおワールドかごしま水族館では、年間を通じてさまざまなイベントやショーが開催されています。特に人気なのが、イルカショーです。イルカたちの華麗なジャンプやパフォーマンスは、多くの観客を魅了します。また、飼育員による餌やり体験やバックヤードツアーなど、参加型のイベントも充実しています。

ジンベエザメ「ユウユウ」の飼育

かごしま水族館では、水量1,500トンの黒潮大水槽でジンベエザメを展示しています。しかし、成長すると10メートルを超えるジンベエザメを長期間飼育するには水槽が十分な大きさではないため、「かごしま方式」として知られる方法で飼育と訓練を行い、一定の大きさに達すると野生へ返しています。返されたジンベエザメには発信機が取り付けられ、回遊ルートの把握に貢献しています。

ジンベエザメの歴代個体

黒潮大水槽で飼育されるジンベエザメは「ユウユウ」と呼ばれています。以下に、歴代のジンベエザメを紹介します。

ユニークな展示

タイヘイヨウアカボウモドキの全身骨格標本

中5階の展望ホールには、非常に珍しいクジラであるタイヘイヨウアカボウモドキの全身骨格標本が展示されています。この標本は、2002年に鹿児島県薩摩川内市に漂着した個体を基に作られたもので、珍しい標本です。

アマガサクラゲの展示

2017年3月にはクラゲ回廊がオープンし、世界初となる深海に生息するアマガサクラゲの展示が行われています。珍しい生物を間近で観察できる貴重な機会です。

モノノケトンガリサカタザメの発見

2020年には、トンガリサカタザメとして飼育されていたエイが新種のモノノケトンガリサカタザメであることが判明しました。日本近海での新種発見は約10年ぶりのことで、大きな注目を集めました。

教育プログラム

水族館では、子供から大人まで楽しめる教育プログラムも提供しています。環境教育や海洋生物の保護に関する講座、ワークショップなどが定期的に開催されており、訪れる人々に海洋環境の大切さを伝えています。

アミューズメントショップとカフェテリア

館内には、様々な生物に触れることができるタッチプールや、観光の合間に一息つけるカフェテリアがあります。家族や友人と楽しい時間を過ごせる魅力的なスポットです。

アクセスと利用情報

いおワールドかごしま水族館へのアクセスは、公共交通機関が便利です。最寄りの駅はJR鹿児島中央駅で、駅からバスやタクシーを利用して約15分で到着します。また、車を利用する場合は、九州自動車道の「鹿児島北IC」から約20分で到着します。水族館には駐車場も完備されており、観光シーズンでも安心して訪れることができます。

開館時間は午前9時から午後6時までで、最終入館は午後5時までです。入館料は大人1,500円、小・中学生は750円、幼児は350円です。詳細な情報は公式サイトで確認することをおすすめします。

訪問の際の注意点

いおワールドかごしま水族館を訪れる際には、展示生物や施設を大切に扱うことが重要です。特に、水槽に触れたり、大きな声を出したりしないように注意しましょう。また、館内では他の来館者に配慮し、静かに見学することが求められます。

まとめ

いおワールドかごしま水族館は、その多彩な展示とイベントで多くの人々を魅了する施設です。鹿児島の海洋生態系を学びながら、美しい海の生物たちと触れ合うことができます。ぜひ一度、いおワールドかごしま水族館を訪れて、その魅力を体感してください。

Information

名称
いおワールドかごしま水族館
(Io World Kagoshima Aquarium)
リンク
公式サイト
住所
鹿児島県 鹿児島市 本港新町3-1
電話番号
099-226-2233
営業時間

9:30~18:00
GW、夏休みの土日祝日、お盆、クリスマスイブなどは21:00まで営業

定休日

12月第1月曜日から4日間

料金

大人(高校生以上)1,500円
小人(小・中学生)750円
幼児(4歳以上)350円

駐車場
あり
アクセス

・市電「水族館口」から徒歩約10分
・市営バス16番線「水族館前」下車徒歩約1分
・カゴシマシティビュー「かごしま水族館前(桜島桟橋)」下車

鹿児島市・桜島・霧島

鹿児島県