鹿児島市立美術館近くに立つ西郷像は、郷土の彫刻家・安藤照が1937年(昭和12年)に制作しました。この像は、西郷の軍装(陸軍大将)姿で直立不動の姿勢をとっています。西郷の名誉回復の観点から、未亡人が本来期待した姿に近いとされています。
安藤照は、西郷の孫にあたる西郷隆治さんをモデルに制作したと考えられています。西郷隆治さんは西郷に最もよく似ているといわれる人物で、安藤と同じく鹿児島県出身です。作家の海音寺潮五郎は、自身の著書でこのモデルについて言及しており、隆治さんをもとにした作品だと推測しています。
像は高さ8mあり、1873年(明治6年)に渋谷「忠犬ハチ公」の制作者である鹿児島出身の彫刻家、安藤照によって製作され、昭和12(1937)年に銅像として完成しました。
鹿児島市の西郷像は、武士・軍人・政治家である西郷隆盛の軍服姿で堂々とした仁王立ちの像が、城山を背景に立っています。安藤の作品は、西郷の武人としての姿を忠実に再現しており、鹿児島の象徴として親しまれています。地元の誇りであり、西郷の精神を今に伝える重要な文化財としての役割を果たしています。
鹿児島駅からバスで10分