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鹿児島神宮

(かごしま じんぐう)

鹿児島神宮は、鹿児島県霧島市隼人町内に位置する由緒ある神社です。式内大社(国幣大社)であり、大隅国一宮とされています。旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁の別表神社に指定されています。かつては「大隅正八幡宮」や「国分八幡宮」とも呼ばれていました。

神社の概要

鹿児島神宮は、霧島市の自然豊かな地域に鎮座しており、その美しい大鳥居が印象的です。神社の敷地内には、歴史的価値の高い建造物が数多く存在し、多くの参拝者が訪れる場所となっています。

祭神

現在、鹿児島神宮で祀られている主祭神と相殿神は以下の通りです。

主祭神

天津日高彦火火出見尊(あまつひだかひこほほでみのみこと) - 山幸彦として知られる神。

豊玉比売命(とよたまひめのみこと) - 天津日高彦火火出見尊の后神です。

相殿神

相殿神は、八幡神を合祀した結果として祀られています。

歴史

鹿児島神宮の創建については、社伝によると神代、もしくは神武天皇の御代に天津日高彦穗穗出見尊の宮殿であった高千穂宮を神社としたことに始まるとされています。和銅元年(708年)には現在の地に遷座され、旧社地には現在、摂社石体宮(石體神社)が鎮座しています。

八幡神の伝説

欽明天皇5年(544年)に八幡神が垂迹(すいじゃく)したのも、この旧社地とされます。鹿児島神宮を「正八幡」と称するのは『八幡愚童訓』によるもので、インドから見た震旦国(中国)に生まれた太子が日本に渡り、八幡神として崇められるようになったという伝説があります。

また、『今昔物語集』によると、八幡神は大隅国に現れ、次に宇佐に移り、最終的には石清水に跡を垂れたとされています。このことから、鹿児島神宮は八幡宮の根本社であるとも言われています。

鹿児島神宮と宇佐八幡宮の争い

伝承によれば、かつて国分八幡と宇佐八幡の間で、どちらが正統な八幡かを巡って争いが起きました。宇佐八幡が国分八幡を焼き討ちした際、燃え上がる社から立ち上る黒煙の中に「正八幡」の文字が現れたとされ、これを見た宇佐八幡の使者たちは驚いて逃げ去り、その逃走途中で命を落としたと言われています。この出来事から、その地は「十三塚原」と呼ばれるようになりました。

信頼できる史料での初出

鹿児島神宮に関する信頼できる史料での初出は、醍醐天皇の時代に編纂された『延喜式神名帳』です。「大隅国桑原郡 鹿児嶋神社」として大社に列せられており、南九州では唯一の式内大社(国幣大社)とされています。これにより、桑幡氏や税所氏といった有力な国人が神職を務めたと伝わります。

江戸時代までの変遷

平安時代には宇佐八幡宮が当社に八幡神を勧請し、以後「正八幡宮」「大隅正八幡宮」などと称されるようになりました。建久年間(1190 - 1199年)には社領が2500余町歩に及び、江戸末期まで千石の社領を有していました。大永7年(1527年)には兵火により焼失しましたが、島津貴久によって再興され、永禄3年(1560年)に新造社殿に遷宮されました。

明治時代以降の歴史

1871年(明治4年)、鹿児島神宮は「鹿兒島神社」として国幣中社に列格されました。1874年(明治7年)には神宮号が宣下され、さらに1895年(明治28年)には官幣大社に昇格しました。戦後、神社本庁の別表神社となり、1935年(昭和10年)には昭和天皇が行幸されています。

現在の鹿児島神宮

2021年(令和3年)には、国の文化審議会が本殿及び拝殿、勅使殿、摂社四所神社本殿を重要文化財に指定することを答申し、翌2022年(令和4年)2月9日に正式に重要文化財に指定されました。

境内の見どころ

鹿児島神宮の境内には、歴史的価値の高い建造物や史跡が点在しています。

大鳥居

鹿児島神宮の入り口には、公道を跨ぐ大鳥居が立ち、参拝者を迎えます。

奉納木馬と神馬舎

昭和18年に奉納された神馬(木馬)は、神馬舎に安置され、鹿児島神宮の象徴的な存在となっています。

本殿・拝殿・勅使殿

本殿、拝殿、勅使殿は国の重要文化財に指定されており、特に本殿はその壮麗な装飾が特徴です。慶長6年(1601年)に造営された社殿は、白蟻による被害を受け、宝暦5年(1755年)に島津重年の寄進により修復されました。これらの建物は、薩摩藩の画家・木村探元による壁画や極彩色の装飾で彩られています。

その他の見どころ
摂末社

鹿児島神宮には多数の摂末社が鎮座しており、主なものに石体宮、四所神社、正元社があります。

鹿児島神宮の年中行事

鹿児島神宮では、年間を通じて多くの伝統行事が執り行われます。特に、1月18日に行われる「初午祭」は、鹿児島神宮の代表的な行事であり、全国から多くの参拝者が訪れます。

Information

名称
鹿児島神宮
(かごしま じんぐう)

鹿児島市・桜島・霧島

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