あくまきは、鹿児島の伝統菓子で、5月の端午の節句に作られる鹿児島県特有の餅菓子。別名「ちまき」とも呼ばれます。粘りは少なく、水分が多いため柔らかく冷めても硬くならない。
一説によれば、関ヶ原の戦いの際に薩摩の島津義弘が兵糧として持持ち込んだのが起源とされています。農家の保存食として生まれたなど、由来には諸説あります。灰汁と竹の皮が使われ、保存性が高く、満腹感があるため、薩摩では長く戦場で利用され、西郷隆盛も西南戦争時に食べたと言われています。年中食べられますが、男子のたくましい成長を願って、特に端午の節句に食べられるようになりました。
「あくまき」の作り方は、もち米を灰汁に浸し、孟宗竹の皮で包み、灰汁水で数時間煮込むという手順です。灰汁に含まれるアルカリ性物質がもち米を柔らかくし、雑菌の繁殖を抑え、長期保存が可能になります。鹿児島県の高温多湿な気候下で、食糧を保存するための知恵の結晶と言えるでしょう。
「あくまき」は4月中旬頃から鹿児島県内のスーパーマーケットや土産店でよく見かけられます。端午の節句には、家庭で作ったり、購入したりして楽しまれることが一般的です。
作り方は、もち米を灰汁に浸し、竹の皮で包み、灰汁水で煮込むというものです。単体ではほぼ無味で、仕上げに、きなこや黒糖、白砂糖などをまぶして食べます。珍しいところでは、蜂蜜、砂糖醤油、溜まり醤油、わさび醤油をかけて食べることもあるそうです。もっちりつぶつぶしていながら口に入れるとさらりと溶ける食感があり、食べ応えがあります。
主な伝承地域:県内全域
主な使用食材:もち米、灰汁(アク汁)