西大山駅は、鹿児島県指宿市山川大山に位置する九州旅客鉄道(JR九州)の指宿枕崎線の駅です。この駅は、日本本土及びJR日本の最南端の駅として知られ、多くの観光客が訪れるスポットとなっています。
西大山駅は北緯31度11分に位置し、1960年の開設以来「日本最南端の駅」として親しまれてきましたが、2003年に沖縄都市モノレール線(ゆいレール)が開通し、那覇市の赤嶺駅がその地位を引き継ぎました。そのため、「日本最南端の駅」の標柱を「本土最南端の駅」に改めましたが、「沖縄も本土の一部である」との声が寄せられたため、2004年に表記を「JR日本最南端の駅」に変更しました。
また、現存する普通鉄道(通常の軌条を用いた鉄道)の駅としては、日本最南端の地位を保っています。ただし、軌条を用いた路線としては、屋久島の安房森林軌道(トロッコ)がさらに南に位置しています。
西大山駅は無人駅で、列車の停車時間を少し延ばすことで観光客が写真撮影などを楽しめるようになっています。
西大山駅の歴史は以下の通りです。
西大山駅は単式ホーム1面1線を有する地上駅で、下り列車進行方向(枕崎方面)に向かって右側にホームがあります。無人駅であるため、駅舎はなく、直接ホームへアクセスする形式です。
記念入場券は山川駅と指宿駅で購入することができ、宿泊施設などでプレゼントとして配布されていることもあります。
西大山駅周辺には、自然豊かな観光スポットが点在しています。特に、池田湖や開聞岳など、雄大な自然景観が楽しめる場所が多くあります。開聞岳は「薩摩富士」とも称され、その美しい姿は西大山駅からも一望できます。
駅から少し足を延ばすと、鰻池や長崎鼻などの観光名所も訪れることができます。長崎鼻では、最南端ならではの海の美しさを堪能することができます。
指宿温泉は、西大山駅からもアクセスしやすい温泉地で、砂蒸し温泉など独特の温泉体験が人気です。
西大山駅の北側には漬物工場「中園久太郎商店」があり、併設する直売所兼観光案内所では、当駅到達証明書を販売しています。周囲には畑が広がっており、観光地としては静かでのどかな雰囲気を味わうことができます。周辺地形は平坦で、国道226号が近くを通過しているため、駐車場も整備されており、自動車でのアクセスが容易です。
また、駅には簡易な東屋が設置され、フリーWi-Fiも利用可能なため、快適に過ごすことができます。
西大山駅付近には定期的な路線バスの運行はありませんが、駅東側の踏切を渡り、南東方向に約2km進んだ所には鹿児島交通のバス停があり、指宿駅や山川駅、開聞駅へのアクセスが可能です。また、観光スポットである長崎鼻や、たまて箱温泉で知られるヘルシーランドへも行くことができます。
西大山駅は、開聞岳を背景に「最南端」の標識や列車が写る景色が広報写真や観光ポスターでよく使用されています。また、駅付近の「西大山踏切」は日本最南端の踏切としても知られ、訪れる人々の記念撮影スポットとなっています。
西大山駅は、台地上に位置し、周囲には阿多火砕流によって形成された堆積物が広がっています。駅の海抜は約64メートルで、指宿枕崎線の中でも最も高く、太平洋を望む美しい眺望が楽しめます。
西大山駅は、日本最南端の駅という特別な位置付けに加え、開聞岳などの美しい自然景観に恵まれた観光地です。駅自体のシンプルさと周囲の雄大な自然が調和し、訪れる人々に特別な時間を提供しています。駅周辺には観光施設や自然スポットが点在し、写真撮影スポットとしても人気です。アクセスは容易でありながらも列車の本数が少ないため、秘境駅としての魅力も併せ持っています。ぜひ、指宿を訪れた際には、西大山駅に立ち寄り、その特別な風景を楽しんでみてください。