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釜蓋神社(射楯兵主神社)

(かまふた じんじゃ いたて つわものぬし じんじゃ)

釜蓋神社は、鹿児島県南九州市頴娃町別府に鎮座する神社で、正式名称は「射楯兵主神社」です。この神社は、「釜蓋神社」や「釜蓋大明神」としても知られ、古くから武運長久や開運を祈願する神社として信仰されています。現在では、多くのスポーツ選手や著名人が訪れるパワースポットとして有名です。

特徴的な参拝方法「釜蓋願掛け」

釜蓋神社の大きな特徴の一つが、頭上に釜蓋(かまふた)を載せて参拝する「釜蓋願掛け」です。参拝者は、鳥居から賽銭箱までの約10メートルの距離を、頭に釜蓋を載せて落とさずに歩くことができれば、厄除けや勝負事の成功を祈願できます。釜蓋には大小さまざまなサイズがあり、特に大きなものも用意されています。

「釜蓋投げ」

「釜蓋投げ」もこの神社ならではのユニークな儀式です。素焼きの釜蓋を投げて、的に当てることができれば、願いが叶うとされています。この独特な参拝方法が、多くの人々を惹きつけ、全国から訪れる参拝者が後を絶ちません。

スポーツ選手に人気の神社

釜蓋神社は、勝負事に強い神社としても評判が広がっています。特に有名なのは、女子サッカー日本代表の沢穂希選手や、サッカー日本代表の中村俊輔選手がこの神社で祈願し、お守りを身につけていたことです。そのことがメディアで紹介された後、スポーツ選手や受験生、商売繁盛を祈願する人々にとって、神社が一層人気を集めました。

戦前の信仰と武運長久

釜蓋神社には、古くから武運長久を祈る信仰がありました。戦前は、兵士やその家族が釜蓋や鍋を頭に載せて祈願し、これにより戦場で無事に帰還できると信じられていました。特に、出兵前の兵士たちやその家族が神社に参拝し、無事を祈ったという記録が残っています。戦場から無事に帰ることを願う祈りは、今でも多くの参拝者にとって重要な意味を持っています。

釜蓋神社の歴史

天智天皇の伝説

釜蓋神社の由来は、飛鳥時代にまで遡ります。伝承によれば、天智天皇とその妃である大宮姫が、多くのお供を連れて頴娃を訪れた際、彼らをもてなすために何十石もの米を大釜で炊いていました。その時、突如強風が吹き、大釜の蓋が空高く舞い上がり、現在の釜蓋神社のある場所まで飛んでいったと伝えられています。驚いた地元の人々は、この釜蓋を拾い、それを神様として祀り始めたのが「釜蓋大明神」と呼ばれる神社の始まりです。

また、開聞地方には天智天皇とその后である大宮姫が滞在していたという伝説があり、この伝承もその伝説に基づいていると考えられています。

島津家との関わり

釜蓋神社の創建年代ははっきりしていませんが、文献によると800年以上前に創建されたとされています。『頴娃郷神仏誌』に薩摩藩第2代藩主の島津光久久が治めていた1667年にこの神社の修補についての記述が残されています。その後も島津家が国家鎮護や武運長久を祈願する場所として尊重されてきました。享保元年8月15日(1716年9月30日)に神社が炎上しましたが、翌享保2年11月25日(1717年12月27日)には再建が完了しました。再建時の棟札には「開聞宮末社釜蓋大明神」と記されています。天保14年(1843年)には、第10代藩主の島津斉興が国家鎮護と武運長久を祈願した記録も残っています。

祭神

射楯兵主神社の祭神は、素盞鳴命(すさのおのみこと)と宇気母知命(うけもちのみこと)の二柱です。これらの神々は、勇気と食物を司る神として広く信仰されています。

パワースポット「希望の岬」

釜蓋神社の裏手には、「希望の岬」と呼ばれる絶景ポイントがあります。ここからは、薩摩富士と称される美しい開聞岳と広大な海を一望することができます。この場所は新たなエネルギーが湧き出ると言われ、訪れる人々に清浄な気を感じさせるスポットとして人気です。また、釜蓋の形をしたベンチもあり、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

交通アクセス

車でのアクセス

釜蓋神社は、南九州市役所から約30分、また番所鼻自然公園から車で約5分の距離にあります。駐車場も100台分用意されており、大型バスの駐車も可能です。

公共交通機関でのアクセス

JR指宿駅からは車で約50分、最寄りの頴娃大川駅からは徒歩約15分で到着します。

まとめ

釜蓋神社は、そのユニークな参拝方法や、武運や開運の神様としての信仰で、多くの人々に親しまれています。特に、スポーツ選手や勝負事に挑む人々にとって、強力なパワースポットとして知られています。参拝の際は、ぜひ釜蓋を頭に載せて願掛けをし、勝利や幸運を祈願してみてください。また、希望の岬からの絶景も見逃せないポイントです。

Information

名称
釜蓋神社(射楯兵主神社)
(かまふた じんじゃ いたて つわものぬし じんじゃ)

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