池田湖は、鹿児島県の薩摩半島南東部に位置する火山活動によって形成されたカルデラ湖で、九州最大の湖として知られています。直径約3.5 km、周囲約15 km、湖面の標高66 m、深さは233 mにも及び、最深部は海抜-167 mという特徴的な地形を持っています。さらに、湖底には直径約800 m、高さ約150 mの湖底火山が存在し、池田湖を含む窪地地形は池田カルデラと呼ばれています。
古くから「開聞の御池」や「神の御池」としても知られ、龍神伝説が語り継がれています。また、池田湖は霧島錦江湾国立公園に指定されており、自然豊かな環境が広がっています。
池田湖の周辺では約6,400年前に激しい水蒸気噴火が発生し、その後スコリア放出やプリニー式噴火、大規模な火砕流の噴出が続きました。この一連の噴火によって、現在の池田カルデラが形成され、カルデラの底に雨水が溜まることで池田湖が生まれました。この過程で、山川湾や成川盆地、鰻池なども形成されました。また、これらの火山活動により池田山川はランクCの活火山に分類されています。
俗説として、開聞岳の噴出と池田湖の陥没が連動して発生したとされていますが、地質学的な観点からは両者に直接的な因果関係はありません。実際には、両者の活動時期には1000年以上の差があり、池田カルデラの大規模な火山噴出物が周辺の地層に残されていることが確認されています。
池田湖は元々、在来の魚類相が非常に乏しい湖でした。しかし、1910年代後半から1980年代にかけてコイ、ワカサギ、アユなどが放流され、その結果として現在ではオオウナギ、オイカワ、ゴクラクハゼなど25種の魚類が確認されています。これらの魚種のほとんどは人為的に移入されたものです。
池田湖には、観光客が楽しむためのさまざまなスポットとアクティビティがあります:
1929年の観測では、池田湖の透明度は26.8 mとされ、当時世界第7位にランクされていました。しかし、その後の生活排水や工業廃水の流入による汚染が進み、1983年には淡水赤潮が発生しました。このため、鹿児島県は水質保全を目的として「第1期池田湖水質環境管理計画」を策定し、指宿市や南九州市と連携して対策を講じています。
池田湖は亜熱帯湖または熱帯湖に分類され、年間を通じて表層水温が4℃以下にならない特徴があります。厳冬には湖水全体が混合されることがありますが、近年は部分循環のみが確認されており、底層水の酸素不足が続いています。この影響で、底層の好気性生物が死滅し、水質の悪化が進行しています。全層循環が確認されたのは、1984年、1986年、2011年、2012年、2018年の5回です。
1961年頃から、池田湖には「イッシー」と呼ばれる巨大水棲生物が存在するという噂が広まりました。このイッシーは、スコットランドのネス湖の「ネッシー」にちなみ名付けられました。特に1978年9月3日、指宿市の住民約20名によってイッシーが目撃され、その報道を通じて全国的に有名になりました。市の天然記念物であるオオウナギが体長2 mに達することから、これがイッシーの正体ではないかという説や、当時池田湖に放流された大型魚ハクレンの誤認ではないかという説もありますが、正体は今も不明です。
池田湖へのアクセスは、鹿児島市内から車で約1時間ほどの距離に位置しています。公共交通機関を利用する場合、最寄りの駅からバスやタクシーを利用するのが便利です。
湖周辺には、観光客向けの宿泊施設やレストランもあり、湖の美しい景色を楽しみながら滞在することができます。また、周辺には霧島温泉などの観光地も点在しており、温泉と合わせて訪れるのもおすすめです。
池田湖は、その美しい自然と静かな環境で、多くの人々に癒しと安らぎを提供する観光地です。湖の周囲には豊かな自然が広がり、四季折々の風景を楽しむことができます。自然との触れ合いを通じて、心身ともにリフレッシュするためにぜひ訪れてみてください。
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