かつお節の生産量日本一を誇る枕崎で生産された最高級の本枯節(カビ節)。かつお節には、本枯節(カビ付)、荒本節(パック原料)、新さつま節(柔かい節)、焼生利節(非常に柔かい節)などがある。江戸時代から続く伝統ある製法で作られる枕崎のかつお節の中でも、一度は手に入れたいのが本枯節。カビ付けと天日干しを何度も繰り返して作る最高級品。カビが、かつお節の地肌に菌糸を伸ばすことで、焙乾だけでは取り除けない内部の水分を除去して、カビによるタンパク質の分解によってうま味が生じる。カビの菌糸が脂肪分解酵素を分泌して中性脂肪を分解し、だし汁の透明度を高めている。これでだしをとれば料理のグレードがぐっとアップすることは間違いなし。雄節と雌節の2本セット。雄節はカツオの背側を使い、脂肪分が少なく上品なダシ、雌節は腹側を使い、脂肪分が多く、コクのあるダシがとれる。
鰹節は、日本の保存食品で、カツオの魚肉を煮熟してから乾燥させたものです。一般的には「かつぶし」とも呼ばれます。また、おかかという言葉は鰹節または削り節を指します。
鰹節の製造には、カツオが使われます。魚体から頭や鰭、脂肪の多い腹皮などを取り除き、舟形に整形された魚肉が使われます。
製造工程は、鮮魚を卸した後に煮熟と放冷を行い、さらに焙乾や天日干し、カビ付けなどが繰り返されます。
製品によって分類され、生利節(なまり節)は魚を煮熟して骨を取り除いた後に放冷されたもので、新さつま節は焙乾が完了したもの、新節は焙乾を終えたもの、裸節は新節の表面を削ったものとされます。さらに、裸節を天日乾燥して新仕上げ節(荒本仕上節、青枯節)とし、カビ付けによる乾燥が完了したものを本枯節とします。
市場で見かける鰹削り節の大部分は、製造期間が約20日の「荒節」から作られています。これらはカビ付けや天日干しが行われず、商品には「かつお削りぶし」と記載され、「かつおのふし」または「かつお・ふし」という原材料名があります。乾燥が進んでいないため、風味は魚っぽく、コクは少なめです。価格も枯節よりも安価です。別名「花かつお」とも呼ばれます。
次に、約10%が製造期間が約3カ月の「枯節(荒本仕上げ)」から作られます。表面を削り、カビ付けと天日干しを2回以上行うことで、非常に豊かな風味があります。商品には「かつおかれぶし削りぶし」と記載され、「かつおのかれぶし」または「かつお・かれぶし」という原材料名があります。価格も高めです。
最後に、本枯節は、一本釣りした貴重な鰹を原料にして手作業で丁寧に製造されます。生切りから煮熟、骨抜き、修繕、焙乾、表面削り、カビ付け、天日干しが行われ、製造期間は約6か月に及びます。
枕崎の鰹節の製造
水揚げ
枕崎では、2月中旬頃から質の良い初鰹の水揚げが始まります。
入札
枕崎の町では、早朝の入札のサイレンの音が1日の始まりです。枕崎のかつお節屋さんたちは、日本一のかつお節を作る使命感に燃えています。魚質の良い鰹を手に入れるため、真剣勝負の入札が行われます。
ヘッドカット
かつお節にする工程は、まず頭落としから始まります。以前は手切りで行われていましたが、今では殆どのかつお節屋でヘッドカッターという機械を使用しています。
内臓取り
ヘッドカットの後は、内臓を取り除きます。内臓取りの際に出る「腹皮」は薄塩にして焼いて食べると絶品です。
背皮剥ぎ・三枚卸し
鰹を三枚卸しにするために、背ヒレなどの背皮を取り除き、手馴れた包丁捌きで次々に三枚卸しにしていきます。
合断ち
三枚に卸した鰹を専用の包丁で4割に切ります。この作業は力が要り、仕上げ節の形の出来栄えに影響します。
籠立て
切り分けられた鰹を煮籠に並べます。均一なかつお節を作るために、お湯が平均に廻るように気を配ります。
煮熱
鰹を煮ます。沸騰したお湯に入れると身割れや身崩れが発生するため、差し水を注ぎ足し、ぬるめのお湯にしてから釜入れします。約90℃以上で2時間から2時間半煮熟します。
骨抜き
機械化できない全くの人手作業です。骨抜きをしっかり行わないと、後工程で変形等の原因になります。
修繕
骨抜き時に生じた亀裂を修繕するため、鰹のすり身を竹べらで埋め込みます。これは、カビ付け時のカビの侵入を防ぐ役目があります。
焙乾(ばいかん)
かつお節のかつお節たる所以の工程です。地下室で薪を燃やし、1階から3階まで燻す部屋があります。かつお節はここで焙乾され、天日干しを繰り返します。
選別
選別では、最上品、脂なし、脂多めの3種類に分類されます。
表面削り
表面に付着したタール分と脂肪分を削り取ります。本節の形がこの工程で決まります。
カビ付け
カビ付け・天日干しを3回から4回程繰り返し、最高級の本節が完成します。
鰹本節できあがり
鰹本節は、1匹の鰹から極僅かの数量しか出来ません。完成までには半年から1年余りかかります。