約90年前に建てられた煉瓦造りの建物は、中世ヨーロッパの居城跡を思わせます。この建物は鶴田ダムの水位が下がる間しか姿を現しません。建築年代は明治42年です。
曽木の滝から1.5km下流、新曽木大橋からほど近い「曽木発電所遺構 展望公園」。園内の遊歩道を進むと「曽木発電所(旧曽木第二発電所)遺構展望所」が姿を現します。この水力発電所は1909(明治42)年に建造され、当時国内最大級の出力を誇っていました。
1965(昭和40)年に「鶴田ダム」の稼働に伴い、廃止となりました。ヨーロッパの居城を思わせるクラシックな佇まいにも感動しますが、曽木発電所遺構が人気観光スポットとなっている理由は他にもあります。
建物の手前には鶴田ダムのダム湖である「大鶴湖」が広がっています。毎年4~9月頃までは洪水に備えて水位を下げるため、この時期には発電所遺構の全貌または一部を見ることができますが、大鶴湖の水位が上がると水没してしまいます。
つまり、春から秋にかけて曽木発電所遺構を見るのに最適なシーズン。
曽木発電所は廃止されましたが、2013年から曽木の滝公園内に小水力発電所「新曽木発電所」が稼働しています。この発電所の施設の一部であるガラス張りの看視架台は、誰でも乗ることができます。
ガラス張りの看視架台から下にある放水口から大量の水が壮大な勢いで流れ落ちるのを見ることができます。
曽木発電所遺構は、鹿児島県伊佐市に位置する歴史的な遺構です。大正時代に建設されたこの発電所は、かつては九州の重要な電力供給源の一つでしたが、現在はその遺構が残されており、歴史的な価値と独特の美しさから、多くの観光客や歴史愛好者に訪れられています。
曽木発電所は、1913年(大正2年)に建設されました。当時、日本の産業革命を支えるために、多くの発電所が建設されましたが、曽木発電所もその一環として設立されました。この発電所は、大正時代の技術を駆使して建設され、九州一帯に電力を供給しました。しかし、電力需要の変化や技術の進歩により、1965年に運転を終了しました。
曽木発電所遺構は、その独特な建築様式と保存状態の良さで知られています。特に、レンガ造りの建物は美しいアーチ状の窓や柱が特徴で、かつての繁栄の証となっています。また、発電所の敷地内には、タービン室や発電機室、制御室などがあり、当時の発電所の構造や機能を垣間見ることができます。
遺構は、川内川のほとりに位置しており、自然と調和した美しい風景が広がっています。特に、春には桜が咲き誇り、訪れる人々を魅了します。
曽木発電所遺構は、観光スポットとしても多くの魅力を持っています。遺構自体の歴史的価値はもちろんのこと、周囲の自然環境との調和が訪れる人々に感動を与えます。特に、写真撮影スポットとしても人気があり、四季折々の風景が楽しめます。
また、発電所の歴史を学ぶためのガイドツアーや展示も充実しており、訪れる人々に深い理解を提供します。地元のボランティアガイドによる詳しい解説もあり、遺構の歴史や技術的背景について学ぶことができます。
曽木発電所遺構へのアクセスは、車が便利です。鹿児島市からは車で約2時間の距離にあり、観光シーズンには多くの観光客が訪れます。また、公共交通機関を利用する場合は、最寄りのバス停から徒歩でアクセスすることができます。駐車場も完備されており、車でのアクセスも安心です。
遺構の見学は自由ですが、ガイドツアーに参加することで、より深く歴史を学ぶことができます。ガイドツアーの申し込みや詳細な情報は、公式サイトで確認することをおすすめします。
曽木発電所遺構を訪れる際には、遺構の保存状態を保つために、触れないように注意することが重要です。また、敷地内は滑りやすい場所もあるため、歩きやすい靴を履いて訪れることをおすすめします。ゴミは必ず持ち帰り、遺構の美しさを保つために協力をお願いします。
曽木発電所遺構は、その歴史的価値と美しい景観で多くの人々を魅了する場所です。大正時代の技術の結晶であるこの遺構を訪れることで、日本の産業革命の一端を感じることができます。ぜひ一度、曽木発電所遺構を訪れて、その魅力を体感してみてください。
渇水期の5月から9月に、煉瓦造りの建物が姿を現します
無料
車:市街地中心の大口ふれあいセンターから約15分
曽木の滝公園から下流へ徒歩で約20分