鹿屋航空基地史料館は、鹿児島県鹿屋市西原に位置する海上自衛隊の航空史料館です。大日本帝国海軍の歴史から現代の海上自衛隊に至るまでの貴重な資料や実機が展示されており、戦争の実態や国防の意義を学ぶことができます。
鹿屋航空基地史料館は、昭和48年(1973年)12月に開館し、平成5年(1993年)7月に「新史料館」としてリニューアルオープンしました。約5500点の資料を収蔵しており、大日本帝国海軍時代の鹿屋航空基地の歴史から、現代の海上自衛隊の装備や活動の変遷を明らかにすることで、国家を守ることの意味を深く理解することを目的としています。
見学は2階から始まります。2階には、大日本帝国海軍時代に焦点を当てた展示があり、「海軍精神」、「実力の養成~海軍航空隊の発展~」、「海軍航空兵力の興亡~航空用兵思想の変遷~」、「特攻作戦」といったテーマのコーナーが設けられています。特に「実力の養成~海軍航空隊の発展~」のコーナーでは、垂水市浜平の海岸や旧加世田市吹上浜で引き揚げられた「零式艦上戦闘機52型丙」が復元され、コックピットを見学することができます。また、知覧特攻平和会館と同様に、神風特別攻撃隊員の遺書や遺影も展示され、戦争の悲惨さと隊員たちの心情を感じることができます。
1階では、現代の海上自衛隊に関する展示が行われています。ここでは「海上自衛隊の発展」、「国防を支える人々と航空技術」、「海鷲たちの系図」、「ソマリア沖・アデン湾における海賊対処活動」などのコーナーがあり、それぞれのテーマに沿った展示が行われています。
「海上自衛隊の発展」では、警察予備隊時代からの海自創生期の記録が展示され、海上自衛隊の発展過程が詳細に紹介されています。
「国防を支える人々と航空技術」では、航空機や兵器の製造技術の進化を中心に展示が行われています。ここでは、ハープーン対艦ミサイル、短魚雷、航空機用エンジンなどが展示され、技術の進化を実感できます。また、P-2対潜哨戒機のコックピットや乗組員の座席も展示されており、実際の装備に触れながら理解を深めることができます。
「海鷲たちの系図」では、実機のHSS-2B(S-61A)救難ヘリコプターや、海上自衛隊員の制服などが展示されています。ここでは、海上自衛隊の活動と装備の変遷を間近で見ることができ、現代の国防に関する理解を深めることができます。
「ソマリア沖・アデン湾における海賊対処活動」では、P-3C哨戒機や隊員の派遣の記録、隊員たちが身に着ける装備が展示されています。ここでは、現代の海上自衛隊が行っている国際的な活動とその重要性について学ぶことができます。
屋外には過去に装備された実機が展示されています。以下はその一部です。