11月1日から3月の第4日曜日までの期間にオープンし、毎年多くの見物客でにぎわうツルのセンターです。
鉄筋コンクリート2階建てのセンターの目玉は、なんといっても360度の大パノラマ展望台です。そこから広がる大自然の風景には、ツルの美しい舞が一大風物詩として楽しめます。間近でツルの生態を観察することができますし、パネルやビデオによるツルの情報も見逃せません。
まるで、ツルの図鑑を手にしたような体験ができます。センター内には食堂や売店も完備されており、出水の冬の観光スポットとして人気を集めています。
出水ツル渡来地は、鹿児島県北西部の出水平野に位置し、毎年10月中旬から翌3月頃にかけて約1万羽のツルが越冬する場所として知られています。この地域は鹿児島県内の245.3ヘクタールが国の特別天然記念物に指定されています。
毎年10月中旬から11月中旬にかけて、北または北西の風に乗ってツルが渡来します。この地域には約1万羽のナベヅルと約3千羽のマナヅルが他の種類のツルと共に渡ってきます。
ツルは稲刈りが終わった水田や休耕田に生えるイネの二番穂やカヤツリグサ科の雑草、セトガヤ、マツバイ、クログワイ、ジャガイモ、カエル、カタツムリ、タニシ、バッタなどを食べながら越冬します。
また、人間による給餌も行われており、年間約75トンの小麦や籾、玄米、大豆などが与えられます。彼らの安全を保護するために、タヌキやイタチに襲われないよう浅く水を張った湿地も用意されていますが、周辺の農家は農作物を荒らされないように畑に防護ネットを張る必要があります。
ツルが北へ帰る直前には約8トンのイワシが与えられ、2月上旬から3月下旬にかけて晴天の日に、西または北西風に乗って円を描くように上昇し北へと飛び立っていきます。
出水平野に飛来するツルの繁殖地は、ナベヅルがバイカル湖からアムール川中流域、マナヅルがアムール川中流域から上流域にかけての湿地帯にあります。越冬地は出水平野だけでなく、山口県周南市の八代盆地や韓国の大邱、高霊郡および軍事境界線の湿地帯、中国の長江流域などにも存在し、年々の気象条件によって越冬場所を変えるツルも多いため、出水平野に渡来するツルの数には変動があります。
9:00~17:00
開所期間
11月1日~3月第2日曜日
大人 220円
小・中学生 110円
JR出水駅から車で20分