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加計呂麻島

(かけろまじま)

加計呂麻島は、鹿児島県大島郡瀬戸内町に属する奄美群島内の主要な島です。奄美大島のすぐ南に位置する美しい島です。鹿児島県大島郡瀬戸内町に属し、リアス式海岸とサンゴ由来の真っ白な砂浜、そして「加計呂麻ブルー」と呼ばれる透き通った青い海が特徴です。映画『男はつらいよ』シリーズ最終作「寅次郎紅の花」のロケ地にもなり、美しい自然と人情味あふれる集落が観光客を魅了しています。

地理と概要

加計呂麻島は奄美群島の南部に位置し、面積は77.25平方キロメートルです。島は細長く複雑に入り組んだ海岸線を持ち、総延長は147.5キロメートルに達します。島内には約30の小さな集落が点在しており、2019年4月時点で人口は1,212人、世帯数は830世帯です。

加計呂麻島の観光地

加計呂麻島には、美しい自然と歴史的な観光スポットが点在しています。観光客は、島の自然美を楽しむだけでなく、歴史に触れることができる魅力的な場所を訪れることができます。

諸鈍(しょどん)のデイゴ並木、展示・体験交流館

諸鈍のデイゴ並木は、加計呂麻島を代表する観光地の一つです。デイゴの木々が立ち並ぶこの場所は、特に春に美しい赤い花が咲き誇り、訪れる人々を魅了します。また、隣接する展示・体験交流館では、地元の文化や歴史を学び、体験を通じて島の魅力に触れることができます。

呑之浦(のみのうら)の特攻艇震洋基地跡と島尾敏雄文学碑

呑之浦は、かつて第二次世界大戦中に特攻艇「震洋」が配備された基地跡が残る歴史的な場所です。また、この地には、戦後の文学者・島尾敏雄を記念する文学碑もあり、戦争の悲劇と島の歴史に触れることができます。

安脚場戦跡公園

安脚場戦跡公園は、太平洋戦争の戦跡を保存した公園です。戦争の記憶を伝える資料が展示されており、訪れる人々は平和への思いを新たにすることができます。

大屯神社(おおちょんじんじゃ)

大屯神社は、平安時代末期の武将・平資盛を祀る神社で、歴史的な意味を持つ重要な場所です。秋には「諸鈍シバヤ」という伝統的な舞踊や村芝居が行われ、観光客にも人気です。

むちゃ加那の碑

むちゃ加那の碑は、島に伝わる悲しい民話「むちゃ加那物語」の主人公を弔うために建てられた碑です。地元の伝説に触れ、その物語を感じることができる場所です。

於斉のガジュマルの巨木

於斉のガジュマルは、巨大なガジュマルの木が民家を覆うほどの大きさを誇る自然の驚異です。この場所は映画『男はつらいよ 寅次郎紅の花』のロケ地にも選ばれ、訪れる人々に大自然の力強さと歴史を感じさせます。

武名のガジュマル

武名のガジュマルも、加計呂麻島を代表する観光スポットの一つで、その巨大な樹木は訪れる人々を圧倒します。

嘉入の滝

嘉入の滝は、島の豊かな自然を感じることができる美しい滝です。自然の中でリフレッシュしたい観光客にとって、訪れる価値のあるスポットです。

西阿室のマリア像

西阿室には、特別な場所に立つマリア像があり、静かで神聖な雰囲気が漂います。この場所は、観光客にとって心安らぐスポットとなっています。

実久海岸、徳浜海岸、須子茂(すこも)海岸、スリ浜

加計呂麻島には、美しい海水浴場が数多くあります。実久海岸や徳浜海岸、須子茂海岸、スリ浜は、青く透き通った海と白い砂浜が広がり、シュノーケリングやダイビングに最適です。

その他の観光スポット

花富の木陰

自然の中でゆっくりと過ごせる「花富の木陰」は、涼しい風が吹き抜ける場所で、島を訪れた人々の隠れ家的なスポットとして親しまれています。

夕日の丘

加計呂麻島の絶景スポットの一つである「夕日の丘」からは、島の美しい夕景を一望できます。日没時の幻想的な景色は、訪れる人々を魅了します。

安脚場展望台

安脚場展望台は、島全体を見渡すことができる絶景ポイントです。リアス式海岸の複雑な地形と加計呂麻ブルーの海が織りなす景色は、息を呑むほどの美しさです。

加計呂麻島の祭り

加計呂麻島では、地域の伝統を受け継ぐ祭りが行われています。

諸鈍シバヤ

諸鈍シバヤは、平家の落人である平資盛が村人を招いて始めたと言い伝えられている伝統的な踊りや芝居です。この祭りは、島の人々の絆や歴史を感じることができ、観光客にも非常に人気です。

加計呂麻島の産業

加計呂麻島の産業は、主にサトウキビの栽培や漁業が中心です。サトウキビを原料としたきび酢や黒砂糖の製造も盛んで、これらの製品は島内外で人気を博しています。

きび酢と黒砂糖

加計呂麻島産のサトウキビから作られる「きび酢」と「黒砂糖」は、島の特産品として知られています。自然の恵みを受けたこれらの製品は、健康志向の人々に人気があります。

また、加計呂麻島では観光業も重要な産業の一つで、民宿やペンションが観光客を温かく迎えています。島内には大規模な商店がないため、島民や観光客はフェリーで古仁屋港まで渡り、スーパーマーケットで買い物をすることが一般的です。

経済と産業

島内には4つの郵便局があり、経済の中心はサトウキビの栽培や漁業です。また、きび酢や黒砂糖の製造も行われており、観光業(民宿やペンションなど)も重要な産業の一つです。大規模な商店はなく、住民はフェリー「かけろま」で奄美大島の古仁屋港へ渡り、スーパーでまとめ買いをすることが一般的です。

歴史

加計呂麻島の歴史は、源為朝が琉球に渡る前に上陸した地として知られ、彼の息子とされる実久三次郎の墓も残っています。また、太平洋戦争中には薩川湾が軍港として使用され、戦艦「大和」や「武蔵」などの連合艦隊の艦船が停泊しました。特攻兵器「震洋」も島内各所に配備され、呑ノ浦には第18震洋隊が駐屯していました。その指揮官は島尾敏雄大尉であり、彼の妻である島尾ミホもこの島の出身です。

映画とロケ地

映画『男はつらいよ 寅次郎紅の花』の舞台となり、島内には6箇所にロケ地記念碑が設置されています。また、NHKの土曜ドラマ『島の先生』や映画『アダン』など、加計呂麻島を舞台にした作品が数多く存在します。

交通

航路

加計呂麻島と奄美大島の古仁屋港を結ぶ「フェリーかけろま」が定期便として運航されており、生間港と瀬相港にそれぞれ接続しています。また、海上タクシーも運行しており、フェリーが欠航する際にも利用可能です。奄美空港から古仁屋港まではバスでのアクセスが可能で、直行バスも運行されています。

バスとレンタカー

フェリーの発着に合わせて島内の集落を結ぶ「加計呂麻バス」が運行しており、レンタカー業者も生間港および瀬相港周辺で営業しています。

Information

名称
加計呂麻島
(かけろまじま)

奄美大島・与論島

鹿児島県