白谷雲水峡は、鹿児島県屋久島町に位置する美しい渓谷で、屋久島の北部を流れる宮之浦川の支流である白谷川沿いに広がっています。自然豊かな白谷雲水峡は、古くから景勝地として知られ、訪れる人々を魅了してきました。世界遺産に登録された屋久島の自然と共に、屋久島を代表する観光スポットの一つとなっています。
白谷雲水峡は、豊富な雨量による浸食によって形成された渓谷で、花崗岩の巨岩が広がっています。その中でも有名なのが「太鼓岩」です。このエリアは、屋久杉の密集地帯へと続く照葉樹林の仲間が混生しており、ウラジロガシ、イスノキ、タブノキなどの木々が茂り、さらにツガやモミなどの常緑樹林も共存しています。この豊かな森の中で、特に目を引くのが「弥生杉」です。この杉は樹齢3000年を誇り、白谷雲水峡の象徴的な存在となっています。
白谷雲水峡を訪れる際には、「太鼓岩」と「弥生杉」は必見のスポットです。太鼓岩は、その名の通り、巨大な岩がまるで太鼓のようにそびえ立ち、そこから見渡す景色は壮観です。また、弥生杉は樹齢3000年の古木で、その荘厳な姿を見ると、自然の力の偉大さを感じることができます。
白谷雲水峡は、古くから景勝地として知られ、江戸時代には「楠川歩道」が設けられました。この歩道は、花崗岩を利用して作られたもので、当時の技術の高さを感じさせます。現在では、散策路として多くの観光客に親しまれ、ハイキングや自然散策のコースとして活用されています。また、江戸時代には杉の伐採が行われていたため、渓谷内にはその名残が見られます。
白谷雲水峡を歩くと、至る所に杉が伐採された痕跡を見ることができます。これは江戸時代に行われた伐採の名残であり、当時の人々がこの地で生活していた証でもあります。現在では、自然が再生し、豊かな森が広がっていますが、その歴史を感じながら散策するのも一つの楽しみです。
白谷雲水峡を含む屋久島は、「1ヶ月に35日雨が降る」と言われるほど、世界でも稀に見る多雨地域です。屋久島の年平均降水量は約4,500mmにも達し、その雨量がこの豊かな自然を育んでいます。白谷雲水峡では年間で7,400mmの降水量を記録することもあり、2004年には年間10,441mm、また2017年10月には月間雨量3,381mmを記録しました。この豊富な雨が、白谷雲水峡の美しい渓谷や豊かな森を支えています。
白谷雲水峡を含む「宮之浦岳国有林」は、水源の森百選にも選ばれており、その豊かな水源は屋久島の生活に欠かせない存在です。白谷川をはじめとする屋久島の河川は、安定的な水道用水の供給源として利用されており、さらには縄文杉の育成にも活用されています。このように、白谷雲水峡は自然保護と生活の両面で重要な役割を果たしています。
白谷雲水峡は、自然散策やハイキングの人気スポットです。訪れる人々は、渓谷の美しい景色や巨岩、原生林の中を歩きながら、屋久島の自然を満喫することができます。散策路は整備されているため、初心者から経験者まで楽しむことができるコースがいくつか用意されています。
自然休養林内は弥生杉コース（60分）、奉行杉コース（3時間）、太鼓岩往復コース（4時間）の3コースがあります。特に、太鼓岩へのコースは、頂上からの絶景が魅力で、多くのハイカーに人気があります。
道沿いには屋久島特有の美しい花や植物が豊かに茂り、のんびりと観察しながら楽しむことができます。また、滝や吊り橋もあり、飽きることなく散策を楽しめます。特に滝は人気で、大自然の中で水の音を聞きながら歩くだけで心が癒されると好評です。この渓谷には江戸時代に伐採された痕跡も見られます。
白谷雲水峡へのアクセスは、鹿児島県道594号線を利用します。屋久島自体は鹿児島本土から離れた島ですが、フェリーや飛行機で簡単にアクセスできます。島内ではバスやレンタカーを利用して、白谷雲水峡までの移動が可能です。
白谷雲水峡は、屋久島の豊かな自然と歴史が詰まった美しい渓谷です。太鼓岩や弥生杉といった見所があり、ハイキングや自然散策を楽しむ人々にとって、忘れられない体験を提供してくれます。また、豊富な雨量が育む豊かな森は、屋久島の水源としても重要な役割を果たしています。自然と歴史が交差するこの場所で、心身ともにリフレッシュし、屋久島の魅力を存分に味わってみてください。
協力金 1人500円
宮之浦港から車で30分