宮之浦港は、鹿児島県熊毛郡屋久島町に位置する地方港湾で、屋久島の主要な港の一つです。この港は鹿児島県が管理しており、屋久島の玄関口として多くの観光客や住民に利用されています。宮之浦港は、島の北東岸に位置しており、東シナ海に面した場所にあります。
宮之浦港は古くから屋久杉の積み出し港として栄え、島の経済活動に重要な役割を果たしてきました。現在では、鹿児島や種子島を結ぶフェリーやジェットフォイルの航路が発着するため、屋久島に訪れる多くの観光客にとって重要な交通手段となっています。また、クルーズ客船が年間20回程度寄港しており、屋久島の観光の一環としても機能しています。
宮之浦港は港則法の適用港として定められており、港湾区域は肥瀬ノ埼から0度800メートルの地点まで引いた線と、そこから塚埼まで引いた線および陸岸に囲まれた海面となっています。さらに、宮之浦橋下流の宮之浦川水面も含まれています。
2015年度における宮之浦港の発着数は3,065隻(310万5,542総トン)であり、利用客数は27万477人に上ります。その内訳として、乗船者数は12万9,603人、下船者数は14万874人でした。この数値からも、宮之浦港が多くの人々に利用されていることが分かります。
宮之浦港にはいくつかの航路があり、屋久島と鹿児島や種子島を結ぶ主要なルートとして機能しています。ここでは代表的な航路について紹介します。
種子屋久高速船が運航するジェットフォイル「トッピー」と「ロケット」は、通常期には4往復、繁忙期には5往復の運航が行われています。これらの高速船は西之表港(種子島)に寄港し、一部の便では宮之浦港が先回りとなります。さらに、一部の便は指宿港を経由することもあります。
フェリー屋久島2は、折田汽船が運航するフェリーで、宮之浦港と鹿児島港(南埠頭旅客ターミナル)を1日1往復しています。また、鹿児島商船グループの「はいびすかす」も、種子島や鹿児島を経由して1日1往復運航しています。
屋久島町が運航する「フェリー太陽」は、口永良部島の本村港から宮之浦港、さらに種子島の島間港まで1日1往復しています。この航路は、島々を結ぶ大切な交通手段となっています。
2018年3月4日から、マルエーフェリーが運航する奄美航路の一部の上り便が、宮之浦港に寄港する社会実験が開始されました。この航路は、那覇港から鹿児島新港までの区間で、与論島や徳之島、奄美大島を経由し、条件付きで寄港が行われています。事前予約が2人以上(当初は20人以上)ある場合に寄港し、名瀬から宮之浦港の区間に限り助成が適用されます。
宮之浦港のフェリーやジェットフォイルは、主に宮之浦地区に発着します。この地区には、宮之浦港フェリーターミナル、トッピーターミナル、ロケットターミナルが設けられており、運航会社の合併により集約されています。
クルーズ客船の寄港に対応するため、宮之浦地区の対岸にある火之上山地区に新たな港湾施設が整備されました。この施設は2006年度に完成し、3万トン級のクルーズ客船が接岸できるようになっています。
宮之浦港は、屋久島に訪れる人々にとって大切な交通の要所であり、歴史的にも島の発展に大きな役割を果たしてきました。これからも観光や物流の重要な拠点として、多くの人々に利用され続けることでしょう。